On the road again Jan-Feb 2018 (4) Koh Lipe Thailand

リペ島に着いて三日目の夜。

僕の師匠のオガタさん(ケイ・オガタ氏)が夢の中に出て来た。

実際もうかなりの間、お会いしておらず、ここ数年は夢にだって出てこなかったのだが、その日の夢の中では一緒にいた。

そこではオガタさんが撮影に行くと言うので、「僕も連れて行ってください」と言い、付いて行くことになった。

夢の中のオガタさんは、とても素っ気なく、と言うか僕を嫌っているように見え、現在のアシスタントからは「オマエは新人のアシスタントか」という、ぞんざいな扱いを受けた。

夢の中の僕は、なんともいえない疎外感と、弱者の意識を持つことになった。

これはもちろん夢の中の出来事なのだけれど、フロイト的には何かの意味があるのかな?

実際僕はアシスタントを辞めてからかなり長い間、仕事の進め方や作品面で強く意識していた。

当時の僕は、彼こそが僕の未来の理想像だと、疑わずに信じていた。

それくらいオガタさんは、パワフルな存在として、僕の心の中に君臨していた。

しかし、そうして持つ意識こそが、自分の独立心を奪っていると気がついたのは、ずいぶん後になってからだった。

「人は誰も、誰かと同じ人間にはなれない。」

僕が「自分の足で立つこと」「自分の意識を明確にすること」「自分の時間を人に牛耳られないようにすること」
を意識するようになったのには、そこが発端だ。

人生の理想像を他者に求めないように、自分を変えていった。

とても好きな人で、写真は素晴らしく、ものすごく影響を受けまくった人。

しかし、僕の夢の中では、僕は嫌われていた。

嫌ってくれて、崖から落としてくれてありがとうって、今なら言える気がする。

もうすでに、今の僕なら言える気がする。