菅原宏的写真術 その9

前回は、好きな写真をよく見ることについて書きました。よく見ることで、自分の中の好きなものを明確にする話です。これって、写真でなくても通じる話ですよね。自分のあり方を考える時にも応用が利きます。

さて、今回は実際に自分の写真に落とし込む方法です。

ここは最初やはり、マネからはいかがでしょう?

HowToじゃないですよ。コピーをするのではなく、マネるのです。マネをして、いかに同じように出来ないか思い知るのです。マゾっぽいですかね、発想が?(笑)けれどそれをやると、「なぜその写真家はそこでそうしたか」を追体験できます。

つまり自分の頭に落とし込めます。自分だったらどうするかな?って。

ちなみに僕は未だにそれやりますよ。リチャードアヴェドンというフォトグラファーが僕のアイドルなのですが(笑)、光と影の作り方、動きの中での服のシルエット、背景と人物の関係、シチュエーション。。。etc

全くマネできません。相手が偉大過ぎます!(笑)けれど、自分がアヴェドンの感覚もしくは持つ目線に(頑張って)なれば、その感覚自体を感じてマネていけば、それはマネではなくなります。これが俗に言う「リスペクト」というやつです。

つまり、その目線と感覚に落とし込んだ自分の好きな写真が、目の前の被写体をどう撮るか?に対して、意識として宿ります。まあ、これは僕の場合で、僕の方法論ですね。

もうちょっと、わかりやすく書きます。

例えば、一枚の写真があるとします。それは緑の森の中に居て、木漏れ日が道を照らしてる写真。

ポイントを書き出すと、

  • 森の中、木漏れ日、光に照らされている道。
  • 木々は緑。木漏れ日は影の中に出来るので、眩しく輝き暖かな色をしている。
  • なぜなら影は青い色をしているので。

そうしたら、そのポイントを頭に入れて写真を撮ります。それが僕の言うマネです。構図やアングルをマネするのではありません。その世界観、感覚、モノの見方をマネするのです。

先ほどHowToではないと書きましたが、HowToはトレースです。

写真の上にトレーシングペーパーを乗せて書いているようなもの。リスペクトもなければ、個性もない。無難に簡単に上手く撮れればOKみたいな。そんなの馬鹿らしいからやめましょう。せめて自分の写真くらい、自分の好きに撮りましょう。人から上手いと言われたい、とか気にせずにね。