菅原宏的写真術 その8

「自分は写真の中に何を見ているのか?」

観察するように好きな写真を見て、前回ざっと書き出したように「気がついた特徴」を羅列すると、それが自分の目線なんだって気がつきますよね。自分は何を見ていて、何を感じたのか?「よく見る」という行為を通して意識化していると。

作者も作品の中に、何を見せたいか意図して撮影及び発表をしているので「気がついた特徴」つまり観察結果は、その作品を見た人の中で、ある程度は共通するかもしれません。けれど見て持った「印象や、感じたこと」は個人的なものです。たとえ人と似た感想を自分が持ったとしても、それは自分のものです。

以前ある映画監督が「作品は、自分の手を離れたら人のものだ」という意味のことを言っていたのを読んだことがあります。

僕もまさにそう思います。作り手は、自分の伝えたいことを作品で伝えようとします。けれどそれを見た人が受けた印象や持った気持ちはそれぞれで、それぞれの環境や考え、経験などにより違うものです。

誰もが全く同じであるとしたら、ちょっと気持ち悪いでしょ?(笑)

こうした「よく見る」という作業を自分の好きな写真で行うと、その写真の表層だけではなく、受けた自分の気持ちや目線が整理でき、好きな写真を自分のものにできます。これは僕なりの、着眼のトレーニングです。

こうして、好きになった写真をよく見続けていくと、そのうちに「僕だったらもう少しここを変えるな」。。。とか、「ここの光の当たり方がサイコー!」。。。とか、自分の目線の成長を感じるかと思います。

続きはまた次回に。

次回はその観察を自分の写真に落とし込む話です。

菅原宏的写真術 その9
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