ひとつ得て、そのひとつ分、確実に器を大きくする。

コレド室町に今春オープンした「水戯庵」で、おととい、花柳寿楽さんを撮影していました。

寿楽さんはお会いするたびに毎回、いろんなことをお話ししてくださるのですが、この日はふいにこんなことをおっしゃいました。

「僕は今回の撮影で、僕の知らない自分が見れたら、それだけで嬉しいです」

しびれました。
そして、やっぱりそうかぁ、という気持ちになりました。

 

わたしは、何かを極めていく人(プロフェッショナル)には共通して、
「ひとつのことをちゃんと大切にする」姿勢があるように思っています。

一度にあれこれ求めない
エネルギーを方々に分散させない

【ひとつ得て、そのひとつ分、確実に器を大きくする】というのを重ねていく。

 

例えば写真家も、「たった一枚の最高の写真」を追いかけています。

それなりの写真が、それなりの量、撮れることではなく、
その時、その場所で、その人と、その関係性でしか写し取れないものが「その場に出てくるまで」
時間をかけて、撮影を重ねて、待っています。

 

寿楽さん、話の中で、こうもおっしゃいました。

「そんなことまで話さなくていいと言われることもあるけれど、何が人の心にひっかかるかわからないからね」

 

一見、無駄や雑多に見える多くの時間や作業は、すべて「最高のある一点」に向けた、必要不可欠な過程であると理解されていて

相手には、できる限りを渡し、
自分は、ひとつ得られたら嬉しいと言う。

 

美しいです。

 

水戯庵:https://suigian.jp/

花柳寿楽オフィシャルサイト:http://www.hanayagi-juraku.com/