三代目 花柳寿楽氏の撮影を続けています

先日、国立劇場大劇場にて、三代目花柳寿楽さん、花柳典幸さん兄弟の主催による、お祖父さんとお父さんである二代目花柳寿楽氏、二代目花柳錦之輔氏を偲ぶ、花柳流日本舞踊会「錦会」にお伺いして来ました。

ここのところ、寿楽さんにくっつき楽屋裏から舞台からと撮影させて頂いているのです。

 

本番前に撮影の時間を設けてもらいました。 靴下に穴が空いているのではなく、お借りした足袋が小さかったのです(笑)

 

日本舞踊というと馴染みのない方には、「正月にテレビでやってる踊り?」という感覚かもしれません。
もしくは「近所のおばあさんが習ってた」とかね。

。。。というのが、僕自身がそうだったから。

 

しかし劇場に足を運び、舞踊を拝見すれば、これはしっかりと現在に続いている伝統なのだとわかる。

その伝統は、過去をなぞるだけではなく、継承という方法を基にした新しい表現にも見える。

 

しきたりや作法、言い回しや動きは、現在からすれば古いを通り越して逆に新鮮であり。

物語はノスタルジア以上に、現代でも共感できる普遍性を持ち。

身体で表現する感情は、派手さではなく、じわっとくる引きのもので、品の良さがいつも漂う。

こうした品格ある表現って、現代の(広い意味での)エンターテインメントの中では失われて来ているんじゃないかな。

そうしたことを、寿楽さんと話をしながら、また舞台を拝見しながら、僕は感じてきました。

 

正直言って、僕は写真を撮るために行くというより、花柳流日本舞踊という中に「部外者ですので悪しからず」といった風情でヒョイっと飛び入り、写真を武器に探検している気分なのです。

真近で見る寿楽さんからは、三代目花柳寿楽としての風格というよりも、しっかりと文化を継承していこうという気力と責任、そして新しい風を取り入れる熱意を感じます。

楽屋には沢山の人が行き交い、社交の場にもなっていました

 

また僕から見て面白いのは、そうした三代目花柳寿楽氏であるところと、青山典裕さん(本名)であるところの境目がないところ。

 

寿楽さんは日本舞踊の家系で生まれ育ち、お父さんから、そして人間国宝であったお祖父さんから、厳しく舞踊を教わってきた。
そうした環境は、間違いなく寿楽さんの人間性や思考、何を見ているかに現れているはず。

その時その時、状況や目の前にいる人に応じて自分を変えていると寿楽さんは言うが、僕が感じたのは、そうした様々な面こそが、一人の人間、三代目花柳寿楽さん(本名青山典裕さん)という人間を構成しているということ。

 

僕にとって敷居が高いというか別世界だった日本舞踊は、古めかしいものではなく、今も同じ人間模様のお話。

つい先日発表された、平成29年度の日本芸術院賞を受賞した三代目花柳寿楽さん。

 

 

敷居を超えたら、その先に人間が見えてきた。

 

寿楽さんと奥様の暁子さん、そして笑美と僕で終了後に記念撮影

 

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そんな三代目花柳寿楽さんの素踊りが明日、明治神宮で観られます。

明治神宮 平成三十年 春の大祭

明治神宮奉納舞踊
5月3日 正午より
明治神宮本殿 神前舞台